ヤングの”熱気”を届けたい! Act.1 山下よ、オマエはヤングのキー・ウーマンだ!!

ヤング世代を見渡した時、誰とでも抗争に突入したり、見どころ十分の闘いを繰り広げる存在、それが山下りなだ。世志琥はもちろんのこと、その後にも多くの選手とのケンカを吹っかけてきた。山下が見つめるヤング世代での立ち位置とは、そしてこれらの抗争にいま何を考える??

――前号で関西選手が山下さんのことをいろいろ話してましたが、まずこの記事の感想から聞かせてください。

山下 本当にありがたいですね。関西さんは私に対して真っすぐ「こうやで」ってアドバイスをくださるし、お話ししていて、気持ちがプラスになる方ですね。関西さんと話すと身が引き締まるというか。ふだん関西さんの周りにはいい人がいっぱい集まるし、笑顔が絶えないし、プロレスラーとしても人としても一番尊敬してますね。団体は違うし、関わってきた時間は短いけど、すごく濃厚で、人生の中で一番充実している期間でもありました。

――タッグも組んでましたしね。

山下 でもその経験を生かさなきゃいけないですよね。楽しいだけで終わってはいけないし、「何でも吸収してもってけ!」って言われてたし。関西さんの引退までにスプラッシュマウンテンを出せなかったことは悔しいとは思うし、でも、ここに書かれてるように、「オマエに気持ちが伴えば出せ!」と言ってくれたので…。でも、本当に今! って思った時には出したいですよね。

――では、そのときに期待したいと思います。さて、ヤングの話に移ります。まず3・26世羅りさ戦が近づいてきました。世羅選手は今回のインタビューの中で、「一生こいつとは闘っていたい」と山下さんのことを発言しています。

山下 えー! びっくりです。私もそう思っているから。コイツいいこと言うじゃん。世羅はキャリア的には向こうが一個上ですよね。

――率直に世羅選手のことはどう思いますか?

山下 世羅とは、他の選手とではできない熱さがあるなって思ってます。コイツ、マジでヤベエなって思ったのが、昔、道場マッチで藤田あかねとシングルやるときがあったんですよ。でも、大会はじまる30分くらい前、急に藤田あかねが欠場になって。それでシングルやる相手がいないってなったときに世羅が私行けますって名乗りを上げたらしいんですね。世羅は2試合ですよ、1試合目と3試合目に出て。間が1試合しかなかったのに、私とシングルマッチして、10分ドロー。私は1試合だから、試合前に体力温存できてたわけですけど、そのとき、「よおやるわコイツ」と思ってたんですね。敵をほめるわけじゃないけど、リスペクトはありますよね。こうやって人に話すのは初めてなんですけど。そのときのシングルマッチは本当に気持ちが上がりまくりましたね。

――過去1勝1敗3分というシングル成績で全く五分ですね。

山下 むしろ5試合しかしてないんだって感じですね。もっと試合してる気がしました。でも一番印象深いのは今話した道場マッチですね。

――3・26は後楽園でタイトルマッチでの6度目の対戦です。

山下 でもこうやってみると時間の経過とともに、どんどん舞台がレベルアップしてますね。アイスリボンと言う団体はすごくやりがいがあるので、ベルトを取って、自分みたいなおかしなのが入って、うわーって暴れるのもありなのかなって思いますし、そうしたいし、ここでお互いひと段階あがんなきゃいけない時期だなって思います。

――わかりました。ではヤングの闘いをさらに切り込んでいきたいと思います。橋本選手とは3・5新宿(山下&長浜対橋本&白姫)で普通に何の事前告知もなくカードが組まれただけでしたけど、思わぬ好勝負になりましたね。

山下 橋本さん! おおっ! 橋本さんとはタッグリーグで関西さんと組んだ時も当ったんですけど、この間改めてガッチリ当たってみて、すごいポテンシャルの方だなあって。自分もまだ4年目なんですけど、橋本さんはもっともっといろんなことができるっていう、そんな可能性を感じる方ですね。

――橋本選手は試合後のコメントで「タックル合戦で負けてしまったのは悔しい」と。

山下 えー、そうかなあ? 私もタックルでうわーって倒したけど、最終的にラリアット合戦で倒されたんですよ、私はそれが悔しいですよ。お互いタックル、ラリアット負けられないものを持っているので、ラリアットだけは負けられないですね。負けへんぞ!

――試合後、両者はにらみ合っていましたが、どういう気持ちでしたか。

山下 いやー、本当にいろんな感情ですね。楽しかった、負けたくない、またやろう、みたいな。でも、「なんやねん、コイツ」みたいな感情もあったんですけど、向こうがニヤッと笑ったんですよね。何やねん、この野郎、みたいな。強さの中にもちょっとした生意気さもあって。でももっともっと気持ちのぶつかり合いをしたいですよね。関西さんが私にしろっていうのはこういうことなんだろうなって思いますよ。また試合できるのが楽しみです。

――もう一つの見どころは、山下さんと白姫さんも白熱してましたね。

山下 白姫さんもすごい! うわっ! て思いました。また試合したいって相手がどんどん生まれてくるなあ~。

――キックの威力はいかがでしたか。

山下 いやー、よかったですねえ。シビれました。ハイキックを食らったんですけど、膝からストンッって落ちました。またぜひやりたい! 白姫さんもただきれいな方だけじゃなくて、意地の張り合いができるなって。

――また敵ができましたね。では続いて彩羽選手については。

山下 出た!彩羽匠! なんでコイツのことが気になるのかわからないんですけど、スゲー気になるんですよね。初めてシングルしたときにスリーパーで勝ったんですけど、技のレパートリーとか技術とか、そういうのもすごいけど、ぶつかり合いがガッツリできて。それにタッパがあるのに動きが鋭いですよね。いま一番試合したいの彩羽匠かもしれないです。すごい気になるんです、なんか。

――12・15新宿のヤング大会では山下さんがタッグながら彩羽さんからフォールを取りました。

山下 あー、勝った勝った! 前々から「お前には負けない」ってお互い言ってたんですけど、ちげーな、なんか、「オマエは私には勝てない」って思いました。でもなんか、彩羽はもっと狂ったほうがいいんじゃない? 何お利口さんしてるんだテメエ、と思うところがありますね。そういうところを壊したいという意味で気になるのかなあ。

――それ以外でも当たってますよね。

山下 OSAKA女子でも一回当たってますね。そのときは夏と組んで、彩羽匠と門倉凛選手と当ったんですけど、そのときはがっつりやられたんですよ、パワーボムでドーンって落とされて。でも私あちこちで敵だらけなんですけど、その中でもいつ彩羽と試合できるのかなーって気になってます。でも彩羽、いい子ぶってんじゃねーぞ!

――では世志琥選手に移りましょう。新年早々、大田区でのシングルを希望しましたが。

山下 10周年という大舞台ですしね、そこでシングルしたいぞって言うのは口走ってしまったけど、別に大田区でなくてもいつでもやってやるぞっていう気持ちはあります。去年、シードリングで初めて当たった時、(山下&中島安里紗対高橋奈七永&世志琥)「いやー、プロレスしてて本当よかったー」って思いました。これまでにもそう思った試合がいくつかあって、華名さんの最後の試合とか、高橋奈七永とシングルしたときとか。そう思えた試合でした。

――世志琥選手は山下さんにとって運命的な人でもありますからね。

山下 そうです。プロレスラーになる前から、プロレスをずっと見てて、でもあまり女子プロレスには興味なくて。ギャーギャー言ってて、髪掴んでて「んーー??」と思ってたけど、テレビでみかけた瞬間になんだコイツは?って。それで、女子プロレスで初めてかっこいいと思ったのが世志琥で、そこから女子プロレスに興味を持ったのがきっかけですよね。初めて見たときはカメラのフラッシュみたいな衝撃でしたよ。すごくまぶしいものがありました。それが目の前に来た時、わたしはどうなってるんだろうって思ったけど、私の中では女子プロレスラーになったた時、この人とは絶対試合できないっていうのはなかったですよ。

――当時は団体間の接点がないわけですからね。

山下 でも、プロレスを続けている限り、いつかどこかでっていう予感があって。過去も現在も、そしてこれから先も、今までのすべての思いをぶつけたいですね。この先どうなってもいいからいまこいつを倒したい、腕ぶっ壊れてもいいから、こいつを倒したいって気持ちがあります。

――世志琥選手は一度引退もしましたが、そのときどういう気持ちでしたか。

山下 そのときもなぜか、どこかで会える予感がしたんですよ。私があきらめない限り、どっかで会えるみたいな。たぶん、一生世志琥に対する熱は冷めないですよ。当たる度に熱は上がるのかなって思うし。シングルできたし、もういいや、っていう満足感は絶対ないと思うし、当たれば当たるほど、じゃあ次はいつだよって思える相手ですよね。女子プロレスってかわいいとかかっこいいとか、いろんなレスラーに分けられると思うけど、世志琥はそういうものに当てはまらない。世志琥というカテゴリですよね。

――ではシングルの実現を待ち望みたいと思います。最後に、山下さんはこうやって、いろんな敵を作っていくわけですけど、どういった発想でこの方向性になっていったのでしょうか。

山下 私は最終回嫌いなんですよ。終結は見たいんですけど、終わりは嫌いで。次回作にご期待くださいみたいな。

――パート2に続くみたいな。

山下 そうそう、いったん区切りはついたけど、続きは見れるみたいな。終わらないっていうのはドローだけじゃなくて気持ちのなかにあるから。今日はアイツに負けたけど、次はこういうわけにはいかないぞって。お互いにまっすぐにぶつかり合った時にそういう気持ちが起きるんじゃないかな。試合終わった時に、橋本さん、彩羽、世志琥だけじゃなく、ほかの選手も含め…。選手がいる限り、100人いれば自分の可能性も100通りあるわけじゃないですか。それがすごいおもしろいし、それでタッグを組んだたら、何百が何千にもなるわけじゃないですか。可能性を作っていきたいんですよね。新しい戦いのきっかけになればなって自分が。起爆スイッチじゃないけど、火薬的なものになればなって。いろんな私も見れるし、私とぶつかったことで、その選手の違う顔も見れるかもしれないし。私があらゆる相手の起爆スイッチになればいいと思います。